恒温槽・試験槽等の性能試験と装備されている
温度指示計器付温度計のJCSS校正について

恒温槽の性能試験

産業界では、恒温槽(室)、試験槽、保管庫(室)、冷蔵庫など、呼び名は様々ですが、「適切に断熱された筐体で、その内部の気相空間の温度を加熱、冷却及び循環等の機能により、安定に維持できる槽や部屋(以下「恒温槽」という。)」を数多く保有しており、環境試験、耐久試験等に利用しています。恒温槽の性能試験方法については、JIS C 60068(ISO/IEC60068)シリーズ及び日本試験機工業会(以下「JTM」という。)のJTM規格で規定されており、それらに準じた試験方法が広く採用されております。

性能試験方法には、恒温槽の有効空間内の上下四隅8点と中心点の温度を測定するものとし、任意1点の温度変動、有効空間の任意2点間の温度差の最大値である温度勾配、有効空間の中心と任意1点の温度偏差などがあります。

恒温槽のJCSS校正

近年、自動車産業の「IATF 16949 自動車産業品質マネジメントシステム規格」、医薬品業界のGMP省令(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)及び、食品関係のISO22000:2005「食品安全マネジメントシステム-フードチェーンに関わる組織に対する要求事項」等では、使用している計測器等に対してISO/IEC 17025:2005「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」等による客観的な能力証明の下で行われた校正や、計量計測のトレーサビリティが求められるようになってきています。

恒温槽についても、ISO/IEC 17025:2005等に則った校正を必要とする対象機器として扱われることがあります。現在、恒温槽については、恒温槽が装備する温度指示計器付温度計としてJCSS校正プログラムが立ち上がっております。

JEMICでは、JIS C 60068(ISO/IEC60068)シリーズ及びJTM規格に則った性能試験と恒温槽が装備する温度指示計器付温度計のJCSS校正が可能となっております。

トレーサブルの証明はJCSS校正で、恒温槽内の評価は性能試験で実施し、セットで管理していくことをお奨めいたします。

(2017.7 N)

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