電気工作物高圧電路の絶縁抵抗測定について

電気工作物とは、電気を供給するのに必要な設備の総称です。電気設備を安全に使用するために定期的な保安点検が義務付けられていることから、様々な測定器を用いて各種の点検、測定、試験を行っていることと思います。それら点検の中の1つに高圧の電路及び機器の絶縁抵抗測定がありますが、一般的な絶縁抵抗計(印可電圧1000V以下のJIS規格対応品)を用いるより、実際の使用電圧で測定可能な高電圧絶縁抵抗計(印可電圧1000 V超過)を用いた方がより厳密に測定ができる場合があることを知っていますか。
 その理由は、絶縁抵抗値は印可する電圧に依存して値が変わるため、1000 Vに比べ実際の使用電圧で測定する方が計器の動作に必要な電流を十分に得ることができ、より正確な絶縁抵抗値を示すことになるからです。また、4000 MΩを超える絶縁抵抗測定をする場合にも、高い電圧が印可可能な高電圧絶縁抵抗計が有効といえます。

 

当所では、標準器として10 kVまで印可が可能な高電圧用高抵抗BOXを設計・製作し、先に紹介した高電圧絶縁抵抗計の校正試験を実施しております。
 また、電気設備の安全使用の観点から、高電圧絶縁抵抗計に併せて、電気工作物の点検に必要な絶縁抵抗計、接地抵抗計、保護継電器試験器類の校正、絶縁用保護具・防具類の試験もお勧めしています。是非、ご利用ください。

なお、ここで紹介しました校正は、本社、中部支社、関西支社及び九州支社で実施しておりますが、取扱いの範囲が異なりますので事前にお問い合わせください。

(2023.8 W)

 

品名 校正の種類 校正範囲 備考
高電圧絶縁抵抗計 一般校正 100 GΩ~10 MΩ 10 kV~1 kV
絶縁抵抗計 JCSS校正 2 000 MΩ~0.01 MΩ 1 000 V、500 V、250 V、125 V他
接地抵抗計 JCSS校正 1 Ω ~1 000 Ω 直流~交流1 kHz の範囲
保護継電器試験器類 一般校正 電圧計、電流計、位相特性、時間 高圧受電設備精の精密点検
絶縁用保護具・防具類 定期点検 長靴、手袋、フック棒、検電器、他 水中試験、気中試験

 

 

 

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