絶縁用保護具・防具類の定期自主検査について

私たちが職場で仕事を進めていくうえで、職場の安全確保は最も重要な課題の一つです。

特に電気工事や電気設備を管理する職場等では、感電事故などの危険から作業者の安全を守るため、絶縁用保護具・防具類の使用が法令により義務付けられています。これらの絶縁用保護具・防具類は作業者の生命を守る大切なものであり、常に所要の性能を維持していなければなりません。そのためには、日常の点検や適切な保管に充分な注意を払うことが必要です。

しかしながら、使用頻度や取り扱い方法によっては、その安全性が著しく低下することがあります。このような状況を防ぐため、厚生労働省では、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則351条に基づき、法的な規制をおこなっています。

絶縁用保護具・防具類は、絶縁用保護具、絶縁用防具及び絶縁用防護具の3つに分類されます。

 

  • 絶縁用保護具とは、作業者が身に付けることで感電災害を防止するものであり、代表的なものとして、電気用ゴム手袋、絶縁用ゴム長靴などがあげられます。
  • 絶縁用防具とは、充電電路または、その至近箇所に取り付けることで作業者が感電災害を受けることを防ぐものであり、電線に取り付ける絶縁防護管やゴムシート、断路器操作用フック棒などがあげられます。
  • 絶縁用防護具とは、建築作業中の建物周辺の充電電路または、その至近箇所に取り付けて作業者が接触あるいは接近によって感電災害を受けることを防ぐものであり、建築用防護管や建築用防護ゴムシートなどがあげられます。

 

絶縁用保護具・防具の絶縁性能と耐電圧試験電圧について

交流300 Vを超える低圧、高圧及び特別高圧の絶縁用保護具は、6ヵ月以内ごとに絶縁性能の自主検査を行うことが義務付けられています。この検査で異常が発見されたものは直ちに補修するか、交換しなければなりません。さらに、この検査結果は3年間の保存が義務付けられているため、使用する絶縁用保護具の数が多い場合には、台帳等を整備して一元的に管理することが望ましいです。検査内容は外観検査の他に、耐電圧試験も含まれます。耐電圧試験では、通常の使用時よりも高い電圧を印可する必要があることから、試験に使用する装置も大型で、設備も大掛かりになります。

一例としてJEMICで実施している絶縁用保護具の耐電圧試験電圧を提示します。

 

絶縁用保護具の種別 耐電圧試験電圧
交流の電圧が300 Vを超え600 V以下である電路について用いるもの 交流 1 500 V
交流の電圧が600 Vを超え3 500 V以下である電路または
直流の電圧が750 Vを超え3 500 V以下である電路について用いるもの
交流 6 000 V
電圧が3 500 Vを超える電路について用いるもの 交流 10 000 V

なお、絶縁用防具につきましては耐電圧試験の電圧値が種別により異なります。詳細はこちら又は、窓口までお問合せください。

 

(2025.05 A)

 

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