近年、宅配便については、全国に広がる配送ネットワークと時間指定や営業所止め、法人向けの集荷サービスなど多様なオプションが増えたこともあり、校正依頼において宅配便を利用するお客様が増加しています。その反面、輸送によるトラブルも増えていますので、「テクニカルコラム」という枠組みから少し離れますが、輸送リスクを低減して効果的な宅配便の活用に向けて一読いただければと思います。
計測器は、製品の校正や検査に幅広く使用されており、品質管理に欠かせない重要な機器です。校正や検査内容によっては高精度な機器が求められ、振動・衝撃・湿気・静電気などに敏感なものも多く存在します。そのため、輸送中の衝撃や温湿度の変化が測定精度に影響を及ぼす可能性があり、その取り扱いには常に細心の注意が必要です。特に、校正のために社外へ送付する際には、輸送品質や追跡精度に優れた宅配業者の利用が推奨されます。
輸送に際しては、適切な梱包が不可欠です。外装箱には十分な強度を備えた段ボールなどを使用し、計測器本体は緩衝材で保護したうえで、しっかりと固定します。可動部やコネクタには保護キャップを装着し、内部の動きを抑えることで毀損リスクを軽減することができます。また、雨天時の荷扱いによる濡れに備え、計測器本体をビニール袋などで包み、段ボール箱内での防水対策を施すとより安心です。
また、計測器を梱包・発送する際には、計測器の外観や付属品の状態を写真撮影して記録しておくことをおすすめします。発送前の外観、付属品の有無、梱包状態などを記録しておくことで、輸送中に破損や紛失が発生した場合でも、状況確認や保険対応がスムーズになります。さらに、より厳密な管理が求められる計測器については、出荷前に動作確認を行うだけでなく、表示値や校正値の確認を実施することで、輸送による影響の有無を把握しやすくなります。これにより、計測器の健全性を確保し、受領後のトラブルを未然に防ぐことが可能となります。
計測器の具体的な宅配利用方法につきましては、弊所ホームページにてご案内しておりますので、ぜひご確認ください。また、A4両面で印刷可能なチラシ「校正品の梱包について」では、梱包方法をイラスト付きで詳しくご紹介しています。初めてご利用いただく方や、梱包に不安がある方にも分かりやすい内容となっておりますので併せてご活用ください。
弊所では、校正のご依頼に際し、宅配便による送付のほか、窓口への持ち込みによるお預かりも承っております。
ご都合に合わせた方法でお申し込みください。お預かりした計測器は、適切な管理体制のもと、安全かつ丁寧に取り扱いいたします。
(2025.11 K.K)
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